2004年08月01日

転「誕生」

子宮口が10cmになるまで、間隔が狭まる痛みと戦いながらいきむのを待つ。
一般的に、子宮口が8~10cmに開く期間に痛みが最も増し、
一分間隔になるので一番辛いと言われている。
多くの妊婦がそう言うだろう。
そして、「10年分の便意を我慢している」と形容されるくらい、いきんではいけない時だ。
それも乗り越え、日付が変わった7月15日、明け方4:00、ようやく分娩台に上がる。
そう、博多の町がいまにも始まらんとする追い山に向かって興奮している時だ。
かき手の男達が声を荒げて気合を入れているだろう。
私の場合、これからが本当の戦いだった。
お産は人それぞれと言うが、私はこのいきむのに4時間もかかってしまった。
当然、この4時間が最も辛い時間となる。

陣痛が弱まっているらしく、促進剤を点滴で打つ。
子宮収縮の痛みが1分間隔で強くおそってくる。それと同時にいきむのだ。
ベッドの横のレバーを強く握り締め、全身全霊を尽くしていきむ!
この作業が4時間も続いたのである。

いきみはじめて間もなく、便が出る。
恐れていた事態だ。
「立ち会う夫に知られたくない」出産前にひどく懸念していた事だった。
それなのになぜか私は、助産士さんに
「今、う〇こ出ましたよね?うん〇。ね?ね?」
あきれてうなずく助産師。
そして夫にも報告。〇んこを連発しているのである。

1分おきの痛みの合間、私は眠るようになる。
そして夢を見ていた。

新鮮な山芋がたくさん冷蔵庫にあったのに、もうない。さては・・・
「とろろ飯にして食べたやろ!」

妙なセリフが分娩室に響く。


7:30を過ぎ、院長先生が入ってくる。救世主に見える。
その前に来ていた女医は
「あなたしか赤ちゃんを外に出してあげられないんだから」と分かりきった事を言うだけで、何の役にも立たない。何もしてくれない。
ようやく会陰を切ってもらえる。私はこれを待ち望むまでに限界に来ていた。
「パチンッ!」と歯切れの良い音。痛みは感じない。

その後のいきみで、ニュル、ニュルンという感触。
お腹がへこんだ!

私は、約10ヶ月間私のお腹で育ってきた生命とようやく対面できる喜びと、
これ以上いきまなくてもよい安堵感で「ひっく、ひっく」と泣いていた。
夫も感激の涙を流している。
ついにこの世に私たちの子供が誕生した。

投稿者 akko : 2004年08月01日 16:08 | トラックバック
コメント

きゃわいい~~~~大ヒット!!の(^◎^)赤ちゃん早くもオババカ?!どっぷりはまりました
目くりくりで顔もちいちゃいで 好いとこばっかや~ん! こんだけ褒めたけ 今度もおいしぃ~焼きうどん よろぴくお願いしますm(._.)m
それにしても 陣痛の間に夢見る人 初めて聞いたわ。。。痛いのも夢?やったんやないの? あと何ヶ月かしたらまかり間違って?カワイイオバちゃんに似てくるのを 期待しつつ・・・子育て 多いに楽しんでね~

Posted by: AZU : 2004年08月02日 20:21

はよ「結」ば読ませやい。

自分のことのように、感涙しながら読みよったのに、う○こネタで、涙も引っ込んだよ・・・(-_-;)

早く本物に会いたーい!!
だっこさせてねん♡

Posted by: さち : 2004年08月04日 13:03

>AZU
いやーん、親ばかに拍車がかかるじゃーん。
我が一族は身びいき親ばか強いもんね~

>さち
おまたせしました。目悪くなるの覚悟で自分でアップしました。
息子に会ってちゅうしてやってねん。

Posted by: あっこ : 2004年08月04日 19:07
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