絵

動物園に行ってから、息子は動物の名前をたくさん覚えた。
玩具の「おえかきボード」で動物の絵を書いてあげると喜んで言い当てる。
先日、友人が来て「猫」の絵を書いてくれた。
「ねと！ねと！」
舌足らずでカ行苦手な息子と初めて話す友人は、「ねと」を聞き取る事ができない。
「は？」と何度も聞き返す友人に、らちがあかない、と判断した息子は「にゃーお！」と言い直した。
（むむ、なんてかしこい！）
心の中で唸る私。
この遊びのお陰で、親ゆずりで絵心のない私だったが随分と上達した。
象も猫も犬もキリンもパンダも、でこぼこフレンズや、あんぱんまんまで
すらすら迷わず描けてしまう。

私の母が象の絵を書いた時のこと。
難しい顔をして考えこんでいたが、息子は笑顔で声高らかに答えた。

「ライオン！」と。

一瞬の沈黙、目が点になる母。
「何で！？鼻長く描いてるじゃない！？」と訴え、
「もうばあば、しない」とつぶやいていた。
お気の毒です。